結婚は簡単でも、離婚は大変な3つの理由

離婚というのは、弁護士の仕事の中でも比較的多い案件です。
私も弁護士として1,000件以上の案件を受任してきましたが、離婚案件も沢山扱ってきました。
そこで、今回は、
結婚は簡単でも、離婚は大変な3つの理由
について解説したいと思います。

その理由は、次の3つです。
離婚すると、
① 手続的に大変。
② 経済的に大変。
③ 精神的に大変。
② 経済的に大変。
③ 精神的に大変。
それでは、一つずつ解説していきます。
手続的に大変。
結婚するときには、結婚式や披露宴といった祝い事を別にすれば、婚姻届を役所に提出するだけで、手続きはオーケーです。
ところが、離婚するときには、それが仮に話し合いでの円満な離婚であったとしても、ただ単に役所に離婚届を出せば良いというわけにはいきません。
まず、離婚届を出す前提として、未成年の子がいれば、その親権者を夫婦のどちらにするかを決めなければなりません。
そして、結婚の際に入籍した当事者は、離婚後の戸籍をどうするのか、子の氏をどうするのかといった手続上、決めなければならないことが出てきます。
また、結婚後に、夫婦が協力して作った財産があれば、これを清算する財産分与という手続も必要です。
もし、結婚後に、ローンを組んで自宅を買っていて、その住宅ローンが残っていれば、その自宅をどちらが取得するのかや、今後、住宅ローンは誰が払っていくのかも決めなければなりません。
さらに、円満に話し合いができず、揉めてしまうと、お互いに弁護士を付けて協議をしたり、それでも話がまとまらなければ、離婚調停や離婚裁判という手続をしていかなければなりません。

離婚については、いきなり裁判をすることができず、原則として、まず家庭裁判所での離婚調停という手続をする必要があります。
そして、離婚調停は、6か月から1年、離婚裁判は、1年から2年かかることが多いです。
ちなみに、裁判は、一審だけを想定しているので、これが控訴されたりすると、さらに長くかかることになります。
離婚調停は、1か月ないし1か月半に1回、平日の昼間に、約半日を潰して、家庭裁判所に行かなければならず、これは、弁護士を依頼していても変わりません。
離婚裁判も、弁護士を依頼せずに本人でやるとなれば、調停と同様、1か月ないし1か月半に1回、平日の昼間に、約半日を潰して、家庭裁判所に行かなければならないうえに、慣れない書面も作って提出しなければなりません。
弁護士に依頼した場合には、毎回、家庭裁判所に行く必要はなくなりますが、何度も弁護士の事務所に足を運んで打ち合わせをしたり、裁判所での尋問を受けるなど、その負担は、調停より少し軽くなる程度です。
このように結婚するときと違って、離婚するときには、揉めていなくても、それなりの手続が必要であり、揉めているとさらに手続面が大変になります。
経済的に大変。
結婚するときには、それなりの費用がかかりますが、一時的なものであって、それによって経済的に困窮するということは少ないかと思います。
しかし、離婚をすると、経済的に困窮するおそれがあります。
現在は、共働きのご夫婦が増えていますが、そのような場合、離婚すれば、収入が一人分に減ります。
のみならず、通常は、2人で一緒に生活するよりも、各々が別々に生活をする方が、一人分の生活費はコスト高になることから、経済的に苦しくなることが多いと思われます。
また、夫婦のどちらか一方が、主な収入を得ていた場合には、その相手方は、今までよりも多くの収入を得るために、収入の良い仕事に転職するなどしなければなりませんが、そう簡単なことではありません。
特に、乳幼児を抱えているような場合には、保育園などのコストもかかるうえに、仕事のできる時間にも制約があるため、より十分な収入を得ることが難しくなります。
これは、男性か女性かによりませんが、実際には、乳幼児を養育するのは女性が多いため、離婚により経済的に困窮する割合は、女性の方が多いと思います。

また、主な収入を得ていた方も、養育費の支払いが重くのしかかり、経済的に苦しくなることが多いと思われます。
特に、併せて、残っていた住宅ローンも負担することになれば、さらに経済的な余裕はなくなります。
私は、実際に、離婚により、夫婦のいずれもが自己破産の危険にさらされた事案を何件か見てきました。
さらに、弁護士に依頼をされれば、その費用もバカになりません。
先に述べたように、法的手続には時間がかかるだけでなく、弁護士を依頼すれば費用もかかります。
このように、結婚することで経済的に困窮するということはありませんが、離婚すると経済的に困窮するおそれがあり、それは割合でいうと、かなり大きい割合になるのではないかと思います。
精神的に大変。
離婚で揉めると、相手方に対する悪感情に支配されるなどの精神衛生上良くない状態が続くことになります。
また、離婚が成立するまでは、身分的にも不安定な状態が続き、これも大きな精神的負担となります。
さらに、先に述べた経済的な点から、今後の生活への不安も抱えることになります。
離婚する年齢によっては、老後の不安を抱えることにもなります。
特に、離婚調停、離婚裁判といった手続が、長期間にわたって続くと、どんなに精神的にタフな方でも、大抵の方が、離婚に行き着くまでに、かなり疲弊されます。

個人差はありますが、私が経験した中で、疲弊されなかった方は一人もおられませんでした。
全員が、二度と経験したくないと口を揃えて、言っておられました。
それぐらい、離婚するときの精神的な負担は大きいものなのです。
私は、実は、この精神面での負担が、一番大変なのではないかと思っています。
最後に、まとめです。
結婚は簡単でも、離婚は大変な理由は、次の3つです。
離婚すると、
① 手続的に大変。
② 経済的に大変。
③ 精神的に大変。
この3つです。
現在は、よく結婚した夫婦の3組に1組が離婚するなどと言われますが、これは必ずしも正確ではありません。
離婚件数自体は横ばいであまり変わっていないものの、婚姻件数が激減しているため、単純に割り算をすると高い離婚率に見えるだけです。
実際には、2019年の総務省統計局のデータによると、アメリカでは1000人当たりの離婚率が2.5%であるのに対し、日本では1000人当たりの離婚率は1.7%です。
これを高いと見るか、低いと見るかは、見方にもよりますが、いずれにしても世間で思われているほど、誰もが簡単に離婚するようになったわけではないのです。
離婚をする際には、大変であるということだけは覚えておいてください。
今回は、これぐらいにしておくことにします。
同じ内容の動画をYouTubeにアップしていますので、そちらも是非ご覧ください。


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