一見揉めないように思えるのに相続で揉めるケース

一見揉めないように思えるのに相続で揉めるケース

みなさん、相続問題で揉めるのは嫌ですよね。
その対策として、あらかじめ、どのようなケースで揉めるのかを知っておくことは重要です。
そこで、今回は、一見揉めないように思えるのに揉めることのあるケースをご紹介します。

私が、弁護士として、現在最も多く扱っている事件の1つが相続事件です。
これまでに複雑なものや、解決困難なものも含め、かなり多くの相続事件を扱ってきました。
その中で、一見揉めないように思えるのに揉めことのあるケースについて、解説しています。


一見揉めないように思えるのに揉める相続の典型的な3つのケース
①家業を継ぐ子供が既に決まっていた
②1人になった親の面倒を子供のうちの1人がみていた
③遺産が自宅とわずかな預金のみ


家業を継ぐ子供が既に決まっていたケース


たとえば、家業として所有不動産で店舗経営をしていたとします。
そして、相続人として複数の子供がいて、店舗経営していた親は既に引退し、子供のうちの1人が既に跡を継いでいたような場合です。
親の存命中は、その1人以外の子供には全く跡を継ぐ気などなく、親の面倒も含めて全て跡を継いだ1人に任せきりにしていました。
このような場合、少なくともその店舗については跡を継いだ子供が取得するということで家族内での暗黙の了解があり、一見揉めないように思えます。

しかし、その店舗である不動産の財産価値が高いような場合、それまで店舗経営になど見向きもしてなかった子供が急に自分も跡を継ぐと言い出すケースがままあります。
当然、その店舗不動産が目当てです。
そして、間違いなく揉めます。

1人になった親の面倒を子供のうちの1人がみていたケース


たとえば、両親のうち先に父親が亡くなり、1人になった母親の面倒を子供のうちの1人がみていました。
母親の生前、他の子供たちはその1人に感謝し、なんなら母親の財産のほとんどはその1人がもらってもいいとまで言っていました。
このケースも、一見揉めないように思えます。

しかし、母親にそこそこの財産があった場合、特に父親の相続の際に父親の財産の半分を母親が相続していて、父親が亡くなってから何年もしないうちに母親も相次いで亡くなったような場合には揉めることがあります。
この場合、母親の面倒を見ていた1人が、母親の財産を管理しています。
そこで、他の子供たちのうちから、その面倒を見ていた1人は、母親の生前に母親の財産から多くの利益得ていただろうと言う者が現れます。
そうすると、面倒を見ていた者からすれば面白くないうえ、仮に多少の優遇があっても、それは母親の面倒を1人で見ていた当然の見返りであると主張することになります。
これに対し、他の子供たちからは不当に利益を得ていたとして、そこには激しい対立が生じ、さらにその面倒を見ていた1人が、意固地になって母親の財産をきちんと開示しないような場合には、揉めに揉めます。

遺産が自宅とわずかな貯金のみのケース


この場合には、遺産となる財産が多くはないので、一見揉めないようにも見えます。
しかし、相続人が複数いるような場合で、かつそのうちの1人が自宅に同居していて他に住居がないような場合には揉めます。
当然同居している者は、そのままその自宅に居住することを希望しますが、この者にお金がなければ、この自宅を売却しないと、遺産を分けることができないからです。

まだ、この同居者が亡くなった方の配偶者である場合には、他の相続人、大抵は子供か兄弟姉妹になりますが、これらの者が配慮をするので揉めない場合が多いと思われます(改正により配偶者居住権というものもできました)が、相続人が子供だけ、兄弟姉妹だけといった場合には、ほとんどの場合揉めます。

まとめ


それでは最後に、今回のまとめです。

一見揉めないように思えるのに揉める相続の典型的な3つのケースは、

①家業を継ぐ子供が既に決まっていた
②1人になった親の面倒を子供のうちの1人がみていた
③遺産が自宅とわずかな預金のみ
この3つのケースです。

これらのケースでは、一見揉めないように思えますが、揉めることもあるので油断をしないでください。

相続に関しては、あらかじめ完全に揉めないようにする対策というのは、たった1つ、亡くなる方が一切財産を残さないということぐらいしかありません。
遺言書を作ることで、いくらか揉めごとを緩和することはできますが、その遺言の内容によっては、かえってそれが揉めごとを引き起こすことすらあります。
ですので、自分に限って相続で揉めることなどないと考えるのではなく、自分のときにも揉めるかもしれないぐらいには考えておいてください。

そして、相続人間で話し合いがつかない場合には、こじれてしまう前に早めに弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
全員が感情的になってしまうと、もはや話し合いで解決するのは至難の業になります。

今回は、これぐらいにしておくことにします。

今回のテーマをまとめた動画をYouTubeにアップしていますので、そちらも是非ご覧ください。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

CAPTCHA