クレームに上手く対応する方法

私は、セミナー等で、よくクレーム対応について、お話をしています。
また、弁護士として、クレームが来て困っているお店から相談をされたり、依頼を受けて、直接クレーム対応をすることもあります。
今回は誰にでも使える、クレームに上手く対応する方法について解説します。
クレームには、いろいろなものがあります。
たとえば、飲食店で、飲食物に異物が混じっていたとか、購入した商品に欠陥があったというものから、店員の態度が悪いといったものまで、様々です。
いきなりクレームを受けると、パニックになって何をすれば良いのか分からなくなるという方も多いでしょう。

そこで、今回は、このようにすれば、誰でも上手く対応ができるようになるという方法をご紹介します。
その方法とは、クレームがあった場合、例えば電話でクレームを受けたとき、そのクレームが次の3つのうちのどの類型に当たるのかの予測を立てて対応することです。
その3つとは、
① 謝罪を求めるもの
② 説明を求めるもの
③ 解決を求めるもの
クレームには、これらのうちの1つにだけに該当するもの、これらのうちの2つ、あるいは全てに該当する場合もあります。
クレームを受けた場合は、まずどの類型に当たるか予測を立てましょう。
そして、それぞれの類型に応じて、適切な対応をすることが大切です。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
まずは、謝罪を求めるものです。
典型的なのは、対応が悪い、態度が悪いといったクレームです。
このようなクレームに対しては、
「不快な思いをさせてしまいましたことをお詫びいたします。」
と謝罪すれば、それで足ります。

ここでのポイントは、実際に、対応がどうであったのか、態度がどうであったのかには立ち入らないことです。
不快と感じるかどうかは、人によって異なります。
相手が不快に思ったのであれば、実際にどうであったのかの詮索は無意味です。
したがって、ただ「不快な思いをさせたことを謝罪する」だけで十分です。
それ以上に、「失礼なことをいたしまして」などといった非を認めるような言葉は使うべきではありません。
ただし、明らかに失礼な対応をしていたり、失礼な態度を取っていたような場合には、素直に、失礼であったことも、きちんと謝罪しましょう。
次に、説明を求めるものです。
典型的なのは、説明が不十分であった、説明を受けていないといったクレームです。
例えば、スマホの契約で、契約当初の割引を受けるためには、一定期間あるオプションを付ける必要があるが、その期間経過後は自分でそのオプションを解約しないと当初聞いていた安い月額料金にはならないという場合、そうした説明を受けたかどうか、説明はあったが十分であったかどうかといったクレームが考えられます。
このようなクレームに対しては、たとえ実際には、既に十分な説明をしていたとしても、再度説明をやり直すしかありません。
現実には、相手がよく聞いていなかっただけというケースも多いでしょうが、最低限、もう一度は説明をしましょう。
ここでのポイントは、同じようなクレームを繰り返されないようにすることです。
そこで、口頭で説明したのと同じ内容を記載した書面(説明書)を手渡します。
これだけでも十分ですが、できれば別の確認書に署名をもらいましょう。

この確認書というのは、説明書に書かれている説明を確かに受けましたという内容を記載した書面で、これに日付と署名をもらえればベストです。
ただ、説明書を渡すからといって、口頭での説明をはしょるなどしてはいけません。
最後は、解決を求めるものです。
典型的なのは、販売した商品に欠陥があったといったクレームです。
このようなクレームに対しては、その商品を預かって、欠陥の有無を調査し、その結果を報告します。
ここでのポイントは、報告をできるだけ速やかに行うことです。
相手にきちんとした対応をしているということを伝え、放っておかれているのではないかという不満をもたさないようにすることです。
これを怠ると、さらなるクレームを生み出すことになります。
そして、修理等が必要な場合には、それにかかる期間も速やかに報告して、あとは実行するだけです。
ここでは、不当な要求をする人も出てきます。
これは、先の①②でも、あるかもしれません。
例えば、販売した商品に欠陥があった例では、修理ではなくて新品に交換して、さらに代金の一部返金せよとか、店員の対応が悪かった例では、社長自ら謝罪をしろとか、説明が不十分な例では、支払った料金を全額返金せよといったものが考えられます。
しかし、そのような不当な要求には決して応じてはなりません。

また、そのような不当な要求をする人に多く見られるのが、「誠意がない」「誠意をみせろ」という台詞ですが、これへの対応については、後日、また別の機会に解説したいと思います。
人がこのような不当な請求を行うのは、自分には全く落ち度がないのに嫌な思いをさせられたことで、相手よりも優位に立ち、自分の言い分は全て正しく、相手はそれを全て受け入れるべきだという誤った思い込みにとらわれてしまうからです。
さらに、相手が当初から不当な利益を得ることを目的としている場合もあります。
このような相手の誤った思い込みや不当な目的に付き合う必要はありません。
最後にまとめに行く前に、そのクレームが、前記の3つの類型のどれに当たるかの見分け方について、少しだけ触れておきます。
既に述べてたように、クレームには、これらの3つのうちの1つにだけに該当するもの、これらのうちの2つ、あるいは全てに該当する場合もあるで、見分け方と言っても、あくまで目安になるといった程度のものです。
クレームがあった場合、その訴えのメインになるものが、次のどれに一番近いのかを考えます。
①「嫌な思いをした」という苦情
②「何か分からないことがある」という質問
③「~をしてくれ」という要求
それぞれが、前記の3つの類型に対応しています。
すなわち、上記の①が謝罪を求めるもの、②が説明を求めるもの、③が解決を求めるものといった具合です。

ただ、こればっかりは対応をしていく中で、次第に分かってくる場合が多いので、予測して対応をしながら、違っていたら修正をしていくしかありません。
それでは最後に、今回のまとめです。
クレームに上手く対応する方法は、そのクレームが次の3つの類型のうちのどれに当たるのかを予測して対応することです。
その3つとは、
① 謝罪を求めるもの
② 説明を求めるもの
③ 解決を求めるもの
この3つです。
今回は、これぐらいにしておくことにします。
同じ内容の動画をYouTubeにアップしていますので、そちらも是非ご覧ください。


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