私が、経営戦略やマーケティングにこだわる理由

弁護士として独立するまで
私は、現在、京都で法律事務所を開設して、弁護士をしています。
私は、司法研修所を出て、まず検事に任官しました。
検事は、国家公務員であり、それなりに身分も保障されているので、給与はそれほど高額ではありませんでしたが、お金の心配をする必要はありませんでした。
私がそもそも検事になったのは、司法研修所の検察教官から誘われたからでした。
任官してみると、かなりハードな仕事中心の世界が待っていました。
しかし、幸い私には水が合っていたのか、心身ともにハードであったことは間違いありませんが、やりがいも感じられ、検事の仕事自体は嫌ではありませんでした。
それでも毎日が結構しんどいので、「辞めたい」というのが口癖のようになっていました(ちなみに、これは私だけでなく、周囲の同期の検事もみな同様でした)。
そんなとき、先輩の検事からは、「あなたは検事に向いている。あなたには検事以外の仕事などできない。弁護士なんて無理。」とまで言われていました。
そんな私が、家庭の事情もあって、4年で検事を辞めることになりました。
そして、弁護士に転身後は、修習先だった法律事務所に勤務することになりました。
病人を抱えていたことや、それまで家庭を顧みずに仕事ばかりしていたこともあって、仕事より家庭の方を優先しました。
そのため、それから独立まで、4年半を勤務弁護士として過ごしました。
独立を決意したのは、そろそろ仕事に本格的に取り組み、収入面でももう少し上を目指したいと考えたからでした。

独立したときの状況
勤務弁護士時代の4年半は、検事時代の4年間を取り戻すかのように、病人の世話も含め家庭中心の生活を送りました。
勤務弁護士としては失格だったと言われても仕方ありませんが、午前9時半ころに出勤して、残業は一切せず、午後5時前には必ず事務所をあとにしていました。
午後5時7分発の電車で帰宅し、毎日午後6時には家族揃って夕食を取っていました。
暦通りに、土日祝日は休み、年末年始休暇と平日10日間の夏期休暇もしっかりと取らせていただいていました。
それでも、事務所から任される仕事だけであれば、十分に処理することができていました。これは、4年間の検事時代に、事務処理能力が鍛えられていたからかもしれません。
ただ、事務所から任される事件以外に、個人事件(事務所を通さずに自分が直接依頼を受けた事件で、報酬のうちの3割を事務所に経費として入れ、その余は個人事業者としての売上になる)は全くというほど受けなかったので、私個人としての顧問先はもちろんのこと、私個人の顧客は1人も獲得できていませんでした。
そのような状況でしたが、私自身、そろそろ本格的に弁護士としての仕事もしていきたい、収入もアップしたいと考え、独立を決意しました。
今から考えれば、なんて無謀な独立の仕方をしたものだと、自分のことながらあきれてしまいます。
経営や商売というものをなめきっていたとしか言いようがありません。

勤務して3年目の年末に、ボス弁に対して、独立したい旨を告げ、翌年の9月末日で退所することになりました。
私が担当している事件は、全て私が持って出て、そのまま担当することになりました。
当時、事務所の事件のほとんどを私が担当していたので、結局事務所のほとんどの事件を持って出ることになりました。
しかも、費用については、新たに報酬金等が入れば、その一部をいただけることになりましたが、報酬金の入る見込みのある事件はありませんでした。そういった事件は、途中からボス弁が担当するか、事務所に置いていくことになりました。
このように、私は、金銭面では裸同然で、独立することになりました。
ただ、残された9か月の間に、独立の際に必要な最低限の費用は稼がなければならなかったので、その間の個人事件についての事務所への経費負担は免除してもらいました。
そして、なんとか残された9か月間で、独立の際に必要な最低限の費用として約540万円を蓄えました。
独立後の状況
そして、2004年(平成16年)10月に、無事独立をはたしましたが、蓄えた約540万円は全て独立費用に消え、手元には一銭も残っていませんでした。
独立した年の年内は、運が良かったのか、なんとか事務所の経費を支払い、生活していくだけの売上がありました。
しかし、その後は、そう簡単に売上のあがるはずがありませんでした。
顧客なしの状態であれば、当然のことでした。
また、私は、他士業の先生方をはじめとして仕事関係での付き合いを全くしていなかったので、事件を紹介してもらえるあてもありませんでした。
このような状況下で、私は、売上をあげるためにどうすべきかを真剣に悩みました。

経営戦略やマーケティングの勉強は必然だった
売上を上げるためには、まずはどうすべきかを考える必要がありました。
当時は、まだ弁護士向けの経営コンサルもほとんど存在せず、存在していたとしてもコンサルティングを受ける費用など持っているはずもなかったので、自分で勉強するしかありませんでした。
大型書店に行って、経営についての書籍を探しましたが、ここでも弁護士向けのものは見つかりませんでした。
そこで、私は、経営に関する書籍を片っ端から読むことにしました。
おそらく200冊以上は読んだのではないかと思います。
ただ、どの書籍も、そのままでは士業の事務所経営、特に弁護士の事務所経営には使うことのできない内容ばかりでした。
そこで、私は、一般的な企業向けの理論等を弁護士の事務所経営にも使えるように変容や修正して、一つ一つ実践していくしかありませんでした。
私は、司法試験受験時代に教養選択科目(大昔にはこういった選択科目がありました)で選んだ「会計学」に興味を持ち、受験レベルを超えて勉強していたので、そのときに習得した知識は、とても役に立ちました。
そして、特に経営戦略とマーケティングについては、かなり勉強しました。勉強するだけではなく、少しでも良いと思ったものについては、片っ端から実践していきました。
そのおかげで、私は、場当たり的な経営ではなく、ある程度戦略的な経営を行うことができ、結果として、自分の望むような内容の仕事を、自分の望むようなやり方ですることができて、しかも自分の望む収入を得ることができるようになりました。

だから、経営戦略やマーケティングにこだわり、これらを伝えたい
以上のような私自身の経験から、スモールビジネスはもちろんのこと、士業の事務所経営においても、経営戦略やマーケティングが重要であることは間違いありません。
しかしながら、これらについて必要な知識やノウハウを的確に伝えてくれる媒体は少ないように思います。
近時は、スモールビジネスや士業についての経営戦略やマーケティングに関する書籍も増えましたが、筆者自らの経験談を綴ったものにすぎなかったり、あるいは一般的な大企業や中小企業向けの理論等をスモールビジネスや士業に合うように修正などせずにそのまま記したものがほとんどです。
また、スモールビジネスや士業専門の経営コンサルタントを名乗る方も増えましたが、実質は単なるホームページ制作業者であったり、広告プラットフォームを設置している広告業者であったり、相談者・依頼者の斡旋業者であったりと、フィーに見合った効果を提供する正真正銘のコンサルタントであるのかどうかについては疑問の多い方が少なくありません。
私の場合も、自らの経験談であるという側面は否定できません。
しかし、多くの書籍等から学んだ知識を、スモールビジネスや士業向けに変容・修正して、かつ実践してきた結果の集積であるという点では、スモールビジネスの経営者や士業の先生方にとってお役に立つ情報を提供できるのではないかと考えています。
おそらく、私は、上手くいったことの10倍以上は失敗もしており、多くの時間を使いました。
そのような回り道を、少しでも回避できるような情報をお伝えできればとの思いで、Twitter等で情報発信をさせていただいております。
今回は、これぐらいにしておくことにします。


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